――あれは受験前の最後の試験のときだ。




ここでとらなきゃヤバいというプレッシャーのなか受けたテストは、

乾いた笑いしか声が出せないほどの結果で。




「た……篁くんあたしだめかも……」

「……数学30点……」




だけど。

あたしのひどい点数を読み上げた篁くんは、大丈夫だと言うようにこう言った。





「俺、英語も数学も1桁だし」





その点数でどうしてそう胸をはれるのかが、当時のあたしにはすごく疑問で。




でも、同時にそんな篁くんが好きだと思っていた。