あたしの頭をなでる手が好き。 照れるとき頭をかくクセも好き。 笑うときに眉間にシワがよるのも好き。 藤岡くんの一挙一動が、あたしが藤岡くんを好きだって感じさせてくれる。 抱きしめられてる、この瞬間の心臓の動きだって。 「……なあ」 「は……はい」 でも、やっぱりこういうの、照れるな。 なんて思ってたら耳元で藤岡くんの声が響いた。 「パーティー会場、俺ン家な」 ――“俺の家”ってところだけ、 やけに、大きく。