「ま、それでもし補習まぬがれたとして……」
顔をあげると、藤岡くんは無表情に戻っていた。
「どうすんだ誕生日は」
「パーティーしたい!! あたしの家とかでいいから」
「……出かけたりはしなくて」
「いいっ。藤岡くんが一緒にいてくれたらなんにもいらない!」
藤岡くんがあたしの誕生日に一緒にいてくれるだけで幸せだから。
想像してニッコニコと無意識に笑顔を作ってしまう。
そんなあたしを見て藤岡くんもまた少し笑った。
「……本当オマエ、バカな」
「馬鹿でいいかも!!」
藤岡くんが笑ってくれるなら。
そうつけたしたら、ぎこちなく腕が伸びてきて、
あたしは藤岡くんの腕に捕まった。