そして、笑って顔を上げた拍子に、目に入ってしまったテーブルの上に広がった問題集。
あたしは雑誌とアルバムを閉じた。
「バカなこと言ってないで勉強しよう……」
せっかく藤岡くんがあたしのために貴重なテスト前の休日割いてくれたんだし、がんばらなければ!!
そう意気込んでシャープペンをにぎるけど、
「……」
やっぱりわからなくて挫折。
なんだか力がぬけて、そのまま後ろに倒れて、あお向けに寝転んだ。
天井で光る蛍光灯を見つめながら、つぶやいた。
「……篁くん……」
――篁 舜爾。
だいすきだった、彼の名前を。