「――じゃあ、ちゃんとやっとけよ」 「う……はい先生……バイバイ」 藤岡くんを玄関の外で見送って、家のなかに戻ると、あたしは急いで部屋に戻った。 棚に並んだ教科書のなか、目立つピンクの背表紙のそれを取り出した。 中学の卒業アルバムだ。 「3のB……3のB……あった」 自分のクラスを探し出して、開く。 そこには少し幼い昔のクラスメイトたちの顔と、自分と。 あのころの彼がいる。