「……他の男のハナシとか、いらねぇから。話すな馬鹿」 それだけ言うとあたしから目をそらして、コロのおでこに鼻をうずめる。 心なしか、照れている様子。 屋上のあのとき以来の“嫉妬”に少し胸がふるえた。 「べ、勉強、します」 「ん」 ――あたしはそれからドキドキしてなにも話せなくて、おとなしく数学の問題を解いた。 そして、藤岡くんは藤岡くんでいつものように何も話さないから 変な空気のまま、勉強会は終了した。