感触はすぐに離れて行って、

あたしがとなりを向けば、そこには変わらずコロと戯れる藤岡くんの姿。




今のキスなんてなかったかのような態度。




藤岡くんの考えていることがわからなくて、不満ながらも仕方なくまたテレビに視線をむければ、ブチッ、と映像が消えた。

びっくりしてとなりを見ると、藤岡くんのその手にはリモコンが握られていて。

テレビを消したんだ、と理解した。




あたしはまたなにか怒らせることしたかな、と頭フル回転させるけど、わからなくて。

戸惑いがちに藤岡くんに目をむけると、その薄い唇をひらいた。