するとパーカーの上に着ていた学ラン脱ぎはじめた藤岡くん。

そして、絶対普通の人のサイズより大きいそれをあたしの肩にかける。




「え? あ、えっ?」




あたしがあたふたしてるあいだに、藤岡くんは出口に向かって行っちゃって。

ああ、くしゃみなんかしたから貸してくれたんだ、

なんて理解したころにはもう何歩か離れたところにいた。





「あ、ありがとうッ!!」





あれ、なんか前にもこんなことあったな、なんてそんな考えは、






「ちゃんと返せよ」






次の瞬間の藤岡くんの微笑みでかき消された。