触らしてんな……って、
「う……右京さん……に?」
藤岡くんの肩が小さく揺れる。
当たりみたい。
だから、教室であんなに怒ってたんだ。
右京さんはただ面白がってるだけなのに。
藤岡くんが心配するようなこと、なにもないのに。
「大丈夫だよ。ほら、右京さん翼大好きだし……」
「……んなのわかってる」
目の前にあった藤岡くんの顔が消える。
肩にズシッと重みがかかった。
あたしの左肩に藤岡くんが顔をうずめていた。
「わかってっけど……腹立つ。無理」
そこから伝わる藤岡くんの熱に、あたしの全身も熱くなった。