「こっち、来い」
「あ……うん!!」
怒ってると思ったけど、別に普通。
フェンスに寄りかかるように座って、右手でコンクリートをペシペシたたくから、
あたしは素直にそこに座った。
「……さっきは、悪い」
少しの間をあけて、藤岡くんが言う。
目線はあたしと反対方向で、まったくこっちを見てないけど
怒ってなくてよかった。
「ううん、大丈夫!! あたしもごめんね」
「……オマエ、謝ることしてねーだろ」
「え? いや、でもだって、あたしのこと睨んだから……」
教室出るとき、見たよね? って言うと、藤岡くんはあたしを見た。