「藤岡、く……おまたせ、いたっ、しました……!!」



はぁはぁと荒い息を吐くあたしを藤岡くんは無表情で見てる。



「別に……んな急がなくてもいいんだけど。いきなり呼んだわけだし」



そう言って左手に持ったケータイをあたしにむかって軽く振った。





今、さっき。

数学の授業が終わった数秒後。

あたしのケータイが振動して、藤岡くんのメールを知らせてくれた。



『屋上。来れたらこい』



たった一行だけで、あたしは幸せ。



すぐに教室飛び出してきた。