――階段を駆け上がる。 目の前にせまったドアのノブをひねる。 いつもは鍵のかかっているそれは、半回転してすぐに開いた。 少し冷たくなった風と共に、広がる景色。 「あ……本当に来たのかよ」 青い空の下、藤岡くんの髪の毛がまぶしいくらいに光っていた。