あたしは体育館館で一人打ち込みをするが
『……ッ?!』
ボールはリングに入ることを拒むようにシュートが外れる。
『もぉ、何で…』
力無く呟いた言葉は虚しく消えただけだった…
――分かってる
今の悠翔に過去を責めたって意味ないってことも、
過去は消せないことも……
「陽ッッ!!!!」
悠翔が思いっ切りドアを開けて叫び
「いた…」
あたしと目があった瞬間に少し悲しい顔になってあたしの元に駆け寄りあたしを抱き締めた。
「ごめん。俺、ほんと馬鹿でどうしようもなくて…いろんな女に手を出してた。ごめん」
『あたしのこと好きなんじゃなかったの?』
「ずっと好きだよ……でも、ごめん」
『他の子は抱くのに、あたしのことは抱かないの? 胸ちっちゃいからそんな気にもならない?!』
「は?! む、胸とか…関係ねぇよ。ただ…陽は簡単に抱けない。すっげー大事で特別だから」
『……そんなこと言ったら許しちゃうでしょ?』
「許して? 陽…」
『…いいよ』
「え? ほんと?」
『そのかわり……キスして? 悠翔があたしを好きな分だけキスして』
「いいの? … 一生キス止まないよ?」
『…いいの』