「は~る?」
何も知らずにあたしの方に駆け寄る悠翔。

『……』
なんかもう、
何に怒ってるか分からないあたし。

「ご機嫌ななめ?」

『……ハゲ』

「ハゲッ?!?! 隠してたのにバレた…って違うから!!」

『………』
全然面白くない

「俺の可愛い陽ちゃん? マジでどうかした??」

『……流れ作業』

「え?」

『悠翔のバカ』
そう呟いて走っていたあたしを悠翔は何があったのか分からない顔で立ちすくんでいた。


「あ~あ…陽、知っちゃったんだね。悠翔の抹消したい過去」
准が苦笑いを浮かべて
悠翔の肩を叩くと




「俺……今ほど後悔したこと、ねーわ」

悲しそうに悠翔は空を仰いだ。