『だからキスしたの?』
「それだけか? って聞かれたら違う。でも…全部いっそのこと壊れてしまえ、って思った」
『どういう意味…?』
「母さんの事を陽が知ったら俺は陽にとって“大切な人を奪ったヤツ”になる。そんな俺を陽が好きなってくれるわけないだろ? だから……」
『違うッ!!』
あたしは悠翔の言葉を遮る
『違う…聞きたいのは、そういう事じゃないの。悠翔は…あたしが好きなの?』
「………」
『ねぇ? どうなの?』
「陽には本当に負けるよ……」
頭を抱えて笑う
咲き誇る向日葵のように
暫く黙ると悠翔の雰囲気が変わるりあたしの目を見つめてハッキリと―――…
「好きだ」