――ビィー
試合終了のブザー音が体育館中に響き渡る
―《整列!!華南53ー青羽53により引き分け》
こうして練習試合により延長戦も無しにあたし達の挑戦は終わった。
『引き分け…なんかじゃない。【31ー19】だよ。12点離された……負けた』
あたしは一人、解散してから学校の体育館に戻ってひたすらシュートを打った。
手を止めるとみんなが負けた瞬間に呟いた
「「「ちくしょう…」」」
って言葉が頭の中をグルグル回って悔しさで泣きそうになる。
「陽…?」
振り向かなくても分かる悠翔の声
『悠翔…何で、足は?』
「大丈夫、足は全治2ヵ月。ここに来たのは…陽が泣いてるって思ったから」
『……泣いてない』
「強がり」
『強がってなんかない』
「………陽?」
『ん?』
「俺、活躍してないから…話しちゃ駄目だろ? だからもう1回チャンスくれねーかな?」
『……』