――ワァァアァ!!!!
会場が湧き上がる。
海が無理やりねじ込み青羽のディフェンスから2点をもぎ取った…
「悠翔ッ!!!!」
浩平が叫ぶ声が頭に響いた。
目線を向けると、
悠翔が膝を抑えて倒れている……
『悠翔ッ』
頭が真っ白になったあたしは剣夜が止める声も聞こえず、コートの中に入って駆け寄る。
――ピッ
『悠翔ッ! やだ…大丈夫?』
パニックになっているあたしに海が近付いて少し口角を上げて悠翔に話し掛けた
「ごめんな。わざとじゃないんだ」
『…っ!?』
痛さで息が荒れてる悠翔を剛さんが抱きかかえてベンチに座らせて、保健の先生が氷を持ってくるのを
コートの中で放心状態で見ていた…
「可哀相に…靱帯いってなきゃいいね、陽?」
海が耳元で囁く
――“靱帯”
あたしは海を睨む
「陽は本当に可愛いね」
華南の監督のもとにあたしは走った。