「“見とけ”なんてカッコつけるをじゃなかったな」

『そんなことないよ』

「俺…カッコわり…」

『カッコ悪くなんかない』
俯く顔を覗いて、ジッと剣夜の目を見て

『カッコ悪くなんかないよ? 捻挫してるのにあたしが4ピリまで分からなかったんだよ…その状態でそこまで頑張れるなんてカッコいいよ』

笑顔でそう言った瞬間に剣夜は俯いた。

『どしたの…?』

「何でもない。見んな」
真っ赤になった耳を見て

『照れんなよ』
と、笑うと

「ちげぇーよ……」
目線だけ上に向けてあたしを睨んだ。