―――“挫いた”
『なんでもっと早く言ってくれなかったのっ?!?!』
「…引っ込めるだろ」
『当たり前じゃない!!』
「だから」
『馬鹿じゃないの?! まだ通過地点なんだよ? 今、無理してどうするのよ…馬鹿!!』
「……」
剣夜は悔しそうに俯く。
『とりあえずラストは剣夜と浩平を交代。練習してたゾーンでいきます…絶対に中では点を入れさせないで下さい』
「わかった」
剛さんが心配そうに剣夜を見ながら呟いた。
「陽ちゃん…こいつのこと責めないでやって。重度の負けず嫌いなんだよ」
将さんがあたしの頭を撫でながら言う。
『…はい。分かってます』
――《第4ピリオドを始めます》