体育館のドアを悠翔が開けようとする手を止める
「ん?」
『悠翔…負けないでね』
「何言ってんだよ。陽に話さないといけないことあるのに負けれるかよ」
『うん』
――ギィ…
体育館の中には仲間がいる…
「おせぇーよ、お前ら! 始まんぞ」
准の怒る声が響いた。
「陽ちゃん、何かあったの? 目が腫れてる…」
将さんが心配そうにあたしの瞼を撫でる
将さんの指が冷たくて気持ちよくて目を瞑ると
――ゴクッ
将さんが唾を飲み込む音がした。不思議に思い、目を開けると
…真っ赤になった将さん
『どうしたんですか?』
「陽ちゃん…その顔、反則」
『え?』
ハァ~~
と悠翔が長い溜息を吐いて床に座り込んでしまった。
「悠翔も大変だね…」
将さんが悠翔の背中をトン、と叩いた