泣いている姿を見られたくなくて 『…トイレ行ってくる』 そう呟いてあたしは走って体育館を飛び出した。 体育館の階段裏の下に座り込み 『泣かないって…決めたのにな』 溜め息混じりに出た言葉。 やっぱり“あたし弱いな”って思ったけど 不思議と自分は責めなかった。 嬉しくて… 初めて“生きてて良かった”って思った――― 「陽?」 この声を聞くまでは…