試合会場につき、あたし達はアップを済ませる。
華南との対戦までに2校と対戦があるためミーティングをして、その2校に勝つための作戦を立てて…あたし達は試合にのぞんだ。


――結果は2勝

始めは危なかしいチームプレーも1ピリと進むごとに安定してきた。


華南までの試合に時間があるあたし達はそれぞれ自主練していると
隣のコートでは華南の女子がレベルの高い試合をしているのが自然と目に入ってきた。


あたしは唇を噛み締めて体育館を出ることしか出来ない…


「久しぶりだな、田崎」
その声に鳥肌がたつのを感じる。

ゆっくりと振り返るとやっぱりそこには華南の監督………
“虎賀 慎也(コガ シンヤ)”

『監督…』

「お前を落ちたものだな。弱小男バスのマネージャーとわ…華南の名が泣く」
嘲笑うかのような言葉


『あたしはマネージャーでは、ありません。プレーヤーです』

「試合にも出れないのにか?」

『……』

痛む胸を引き裂く

「ふんっ、だからお前は捨てられるんだ」


流れそうになる涙をこらえて
拳を握り締める。


「止めろよ」

聞いたこともない
怒りに満ち溢れたその声の方を振り向くと…

悠翔がいた。