「いよいよ、明日かぁ~」
悠翔が背伸びをしながら叫ぶ。

『だね。絶対に明日でみんなもっと上手くなれるよ!』

「なぁ~ 陽ちゃん?」

『んー? 何?』
浩平が不敵な笑顔を浮かべながらあたしを呼び、お願いするような目であたしを見る

「あのさぁ~ みんなにもっとやる気を出させるためにご褒美頂戴よ」

『ご褒美?』
「ごッ…ご褒美?!」
悠翔が何故か吹き出すと

浩平がニヤッと笑って悠翔の目を見ながら
「明日の試合での一番活躍したヤツに……
ちゅーをプレゼント☆」

『は?!』
「えぇッ?!」


「お願い、陽ちゃん。悠翔もこう言ってるしね?」
浩平がタコ唇にした後、ウインクする

「なっ?! な、何も言ってねぇよ」

「顔に“陽のキスほしい”って書いてる」

「はっ?! か、書いてねぇし!!」

書いていないと言うくせに両手で顔を隠す悠翔を満足そうに浩平は見た。