あの後、悠翔は何も言わずに苺ミルクを買ってくれた。
素直に受け取るあたしの頭を乱暴に撫で

「ホント、陽は苺ミルク好きだよな! 俺も苺ミルク好きなんだ。義理の俺の母さんなんだけどいっつも俺が失敗した時とかに苺ミルクを作って“頑張れ”ってゆってくれる」

『義理の…?』

「俺ん家、再婚だから」

始めて家のことを話してくれた。

『そっか』


この時は深く何も考えてない…
いや、
考えさえようともしなかった。

だってこんな事が起きるなんて―――



悠翔…
あなたの優しさは偽りだったの?



知ってしまったら、
もうあの頃には
戻れない。



絡まって糸が
今…
少しずつ解けていく―――