『ねぇ、悠翔――』
「ん?!」
あたしが話したことに少し驚いたのか焦ったように悠翔は相槌を打った。
『あたしは試合にはでれないんだよね…?』
「…」
黙って俯いてしまった悠翔に余計なことを聞いてしまったと後悔して
『…なんてねっ! 練習、戻ろっか』
自分でも分かる程の下手くそな笑みを浮かべた。
ボールを持って立ち上がろとすると
ギュッと悠翔が手首を掴む。
『悠翔?』
悠翔は無言であたしの手をひき
『え、ちょっと何処行くの?』
――着いた場所は、
ほとんど使っていない準備室。
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