剛さんについて行かなかった悠翔は
「陽はさ…想像出来る? 試合やる前から相手にナメられて、二軍メンバー出される気持ち」

『…』

「負けてさ、悔しすぎて強がりばっか言って…バカしちまう気持ち。悔しいのに悔しいって言えねーの…自分が情けなすぎて」

『…分かんない』

「分かんないのはしゃーねぇよ。う~ん…上手く言えねぇけど。でも、みんな“変わらなきゃいけない”って分かってるんだ! 陽は悪くないよ」


『……あたし、まだ終わりたくないの。負けたくないなら強くなればいい。期待されたいなら勝てばいいと思う』

悠翔は困ったように笑いながら、
あたしの頭を撫でた。


「きっとみんな本当は嬉しかったと思うよ。陽に本気になってもらえて………俺、嬉しかったもん」

『……ありがと』

「は? …何でお礼?」

『側にいてくれて』

「……うん」

この時、悠翔の顔が真っ赤だとゆうとを俯いていたあたしは知らない――