溜め息を一つついて
真っ直ぐ剛さんの元に行く。

『剛さん』

「ん、どした?」

『このチームの目標ってなんですか?』

「はッ?! 何だ…お前」

『無いんですか?』

「考えたこと無いな~」

この瞬間、
脱力感によって…急に頭を抱えてしゃがみこんだあたしに焦ったような声で

「おい、陽?どした?」
気遣う剛さんを無視して


『キャプテン…勝ちたくないんですか??』

「え…」

みんなの視線が剛さんとあたしに注がれる――




『勝ちたくないんですか??』
声を更に大きくして問う。