生徒らが帰った後、
後片付けをする陽の後ろ姿をそっと抱き締めると
「剣夜? どうしたの??」
少し笑いながら聞くから
『ん?』
「何か甘えただから」
『…嫌?』
不機嫌な声が出た。
「んーん」
陽が俺の方に向き直って手を一杯に広げる…
そうしながらも自分から抱き付いてくる陽が可愛い
「何かあったの?」
『………何でもない』
「嘘。隠し事とか嫌」
『カッコ悪いから言いたくない』
「そんなの思わないよ?」
『……』
「あたしに言えないこと?」
不安そうにな顔が
『拓ってヤツが……てゆうか生徒らが陽のこと呼び捨て』
カッコ悪い俺の言葉に
「え?」
驚いた顔を見て…
やっぱり言わなきゃ良かった、って思った。