「だから本当だって言ったでしょ」
陽が拗ねた口調で言うと、
その生意気なヤツが目を細めて
「ごめん、ごめん。…何か陽って結婚してるようにはどうも見えなくて」
クシャっと無邪気な顔をした。

「拓(タク)と同い年に見えるとか言うんでしょ?!」
陽がその生意気な生徒…拓ってヤツに返すと

「いや、むしろ年下?」
と明らかに好きなヤツをいじる男の顔と口調で笑うと

「た~~く~」
不機嫌そうにそいつを睨む…陽



男にはそれが逆効果とは知らずに――



こいつと陽を見たくなかった…

俺は表情を崩さずに
『とりあえず、陽…腹減った』と言うとハッとしたように

「あ! ごめんね、すぐ出来るから待ってて」


全員で8人らしい……
生徒の中を掻き分けながらキッチンに向かった。