『頑張ってね! 負けたら許さないんだから』

「陽が見てるんだから負けるわけねぇよ」
そう笑いながらあたしの頭を撫でて、
再び瞳に熱を宿してコートに入った。



「は~る」
明るい声があたしに降ってくる。

『悠翔!』

「幸せそうな顔してさ………よかったな」

『ありがとう。試合負けちゃ駄目だからね』

「分かってるよ! 兄として妹にはカッコ悪いとこみせれねぇよ」

『うん。頑張ってね、お兄ちゃん!!』

「おう」
そう言って向日葵の笑顔を咲かせてコートに入る。