「陽に母さんを返してあげたかった……」

『そんなの』

「俺さ、陽の家族になりたかった。もちろん夫ってゆうポディションが良かったけどな…」
はにかむ悠翔に胸が締め付けられる。

『……』

「そんな顔するな!! 何で俺が今までこのこと言わなかったと思う? 何で今になって話したと思う?」

悠翔はゆっくりとあたしに近付いて頬に優しく触れて

囁く声は…

「陽が剣夜を愛してるんだ、って思ったからだよ。家族になれる…大丈夫、だって」

少し悲しみを帯びた瞳は…

とても綺麗で吸い込まれるような錯覚をおこす。

「俺は陽をこれから“妹”として愛すよ」

『悠翔』

「陽、俺の夢…知ってる?」

『え…?』