ゆっくりと名残惜しそうに…剣夜は唇を離した。
みんなは騒ぐことをせずに黙り…顔を少し赤くしていると
浩平がぽつりと呟いた。
「剣夜、すげー陽のこと好きなんだな」
「だな……今のキスで分かった」
と准が答え、
「剣夜が指先震えて、すっごい愛しそうにキスするからドキドキちゃったよ」
と将さんははにかんだ。
あたしは微動だにしない剣夜をゆっくりと見ると口を手で抑え…耳まで真っ赤にして俯いている
『…剣夜?』
――ガタッ
悠翔が乱暴に立ち上がり、
泣きそうな顔をしてどこかへ行ってしまった。
「陽」
剣夜が優しくあたしの名前を呼ぶ
『何?』
「好きだ。陽のことがずっと頭から離れない……まだ、悠翔が完全に吹っ切れてないのは分かってる」
そういって苦しそうに数秒俯いてから
ゆっくりと顔を上げて真っ直ぐあたしを見つめ
「…いつか、でいいから俺を愛して。傍に居てくれればいいから」
願いように言った。