「はぁ?! 言ってくれたら…死ぬ気で俺、頑張ったのに」
浩平が残念そうに叫ぶから

『死ぬ気でやってなかったんですか?!』
と言うと、
バツが悪そうに准の後ろに隠れた。


「そーゆ訳だから」
そう言って剣夜は握っていた手を引っ張って顔を近付けて

「陽、キスして…?」
囁く。

『何でみんなの前なの?』

睨みながら聞くと剣夜は少し口角を上げて

「ご褒美だろ?」

『うん』

「正式な約束事だから」

『???』

「隠れてしたら意味が変わる」
分かるような…
分からないような…
微妙。
けど剣夜の目があたしの意見を拒否していた…


「それって口? ほっぺた?」
准が剣夜に聞くと

「口」

『えぇ?! そうなの…?』

「当たり前………ほら、早く。じらすな」

甘い声で誘われる。