「陽は僕を“兄として”愛してる??」
『う、ん…うん。愛してるッ』
嗚咽混じりに言うあたしを海は抱き締めるめて
今まで聞いたこともない温かく優しい声で
「ありがとう。…陽が僕を愛してくれるのがずっと夢だったんだ。やっと叶った」
と言った
『海……ごめんね』
「何で謝るの? 陽は謝るような事してないよ?」
あたしは首を横に振る。
『“約束”守れなくてごめんね』
「“約束”?? 何のこと? 僕、忘れちゃった」
そう言いながら頭を撫でる海は
『ありがと』
「……うん」
あたしをゆっくりと胸から離して、同じ目線になる
「陽を愛してるよ。誰よりも幸せになってほしい………だから自由にしてあげる」
『海……』
「こんな方法でしか愛せなかった僕を許して、陽?」
精一杯に首を縦に振って
今までで一番の笑顔を向けた。
『海、愛してる。……お兄ちゃん』