幼かった
愛が欲しかった。

だから、
お互い愛を求めて
“約束”を交わした
お互いが離れてしまわないように……
縛り付けた、約束を思い出してしまった。




「陽?」
様子がおかしいあたしに心配したように眉を下げて覗き込む悠翔。

この人が好きだ…
声も手も仕草も、
髪の毛一本でさえも悠翔の、ってだけで特別なものになる…
“愛しい”
きっとこういう気持ちをそう言うのだろう。





でも―――…


『ごめん…悠翔』
あたしは悠翔に抱き付く。

悠翔の香りを忘れないために
悠翔の温もりを忘れないために

「は、る…?」
『愛してるよ』
あたしは精一杯の笑顔で悠翔に残酷な言葉を……





『バイバイ』