“やっぱりあたしは愛されない”



海の
「捨てられた猫みたいな顔してるよ?」
という言葉を否定出来ない自分が…

誰にも愛して貰えない自分が…
すごく空っぽで価値のない人間に感じた。






――「陽?」
悠翔のあたしを呼ぶ声でハッ、と気付く

『あ…ごめん』

「大丈夫だよ…俺がいるから」
そう言ってあたしの頭を優しく撫でて立ち上がった。


「ほんとうにそんなふうに陽のことを思っているんですか? 僕よりも長い時間、側に居たのに…ほんとうに陽のお父さんが言うような小娘だと思ってるんですか?」
悠翔がお父さんの目を真っ直ぐに見つめ…透き通るような声が部屋に響く。


「君……どういう意味だ」

「そのままの意味です」

あたしの手を握る。
――離さない

そう言われているような気がした