◆晴弥目線◆
『……や様!
晴弥様!起きてください!!』
気持ちよく寝ていた俺を揺らすのは瑞季だ。
『どうしたんだ!』
眠りを妨げられ、俺は最高に不機嫌だ。
『落ち着いて聞いて下さい。
沙羅様が…いなくなりました』
『………っ!!』
思わず、大声を出しそうになった。
でもなんとか冷静を装う。
これくらいのことで取り乱しては遊馬電器なんて継ぐことはできない。
『瑞季、どういうことだ?』
起き上がりベットの端に腰をかけた。
『これが沙羅様の机の上に…』
瑞季がそう言って1枚の紙をポケットから取り出す。
そこには確かに沙羅の字で
「何も言わずに出ていってごめんなさい」
と書いてあった。