「アー、アー、アァー?」


 ゆっくりと、その暗闇が振り向いた。

 違う。

 それは人型をしていた。

 揺れている銀色とは、両手に持った何かなのだ。


「ヤァヤァヤァ、オジョーチャンたち。キミたちもボクのショウを見に来てくれたんだネ」


 言葉を紡ぐのはピエロ。道化師のペイントをした何か。

 まるで血を塗りたくったかのようなつり上がった唇がにやりと歪む。

 怖い、という意識よりも先に、どうして? という疑問が浮かんだ。

 ピエロのペイント、左右非対称のカラフルな帽子、黒のスーツ、大きな刃物

 その特徴は――