「そうそう、あの噂知ってる? 怪人の話!」


 どきっとしたけども、ここはスルー。大丈夫、彼女らは私達の作った話だと言うことは知らないのである。


「また昨日被害者出たらしいじゃないのさ? 早く捕まらないもんかねぇ、怖くて散歩もできないよ」


 何故こんなに噂に尾ひれ背びれがついているのか。そのうち胸びれまで付きかねない。


「噂なんて気にしちゃだめだと思うなぁ。そうやって騒いでいると、そのうち更に話が大きくなっていくんだよ?」


 理有がフォローを入れてくれる。この子気付いてるんじゃあるまいな、と思ったが、理有にならばバレても構わないと思える自分がいる。


「そうかもねぇ。あぁ、駅ついたらうち等四人ちょっと買い物してから合流するからさ、どこかで暇つぶしててくれないかな?」


 理有が意味ありげな目配せ。私以外の五人は心なしか楽しそうに見える。