赤が好き

 赤色が好き

 ここ数年、驚くほどの勢いで赤色を好きになった



 部屋を見回してみる


 布団カバー

 シーツ

 キャンドルスタンド

 バッグ

 香水

 ポーチ

 ハンドタオル

 クッション

 スリッパ

 ポストカード

 下駄箱のエナメルの靴

 
 思いつくだけでそれだけの赤がある



 学生時代はモノトーンだった

 部屋は無機質で

 色がなかった

 それがシンプルで居心地のいいものだと思っていたし

 身に着けるものも

 黒が好きだった

 黒は誰にでもそれなりに似合うと思っていたし

 とにかく無難だった



 でも今は違う

 赤が好き

 黒い洋服も多いけどさし色に赤を使う

 バッグや靴

 それをさし色として使うのがわたし流

 それがピンクやブルーやグリーンとか

 そんな色じゃない理由を考えてみた



 愛って赤いイメージがない?

 情熱の赤っていうでしょう?

 きっとわたしに愛がないから

 愛の変わりに赤で心の穴を埋めているの

 そう考えるとしっくりくる



 つまり

 いつか

 わたしが赤色から離れるときがきたらそれは

 愛に満たされたということ

 きっとね