いつもどこかで誰かが言うでしょう

 この空はつながっているって

 確かにそうかもしれない

 空は途切れていないもの

 でも

 だからどうなの?

 この空がつながっているって
 
 だからどうなの?



 わたしとあの人の間に

 何十キロっていう距離があるのはかわらない

 それは大いなる隔たり

 何の解決にもならないし

 同時に

 何の慰めにもならない



 庭につながれた犬が鳴いている

 ツバメに向かって鳴いている


 でもその犬の鳴き声はあの人には届かないし

 きっと

 そのツバメを見ることもない


 
 空がつながっていたとしても


 そんなの何の役にもたちやしない


 空って

 
 あんがいちっぽけで無意味な存在なのかもしれない




 了