事の発端は数時間前。

いつもと同じ、普通な日常だった、いつもと同じ、時間が流れてた。

「だからほっといてよ!」

「どうせほっといてもぐうたらするだけでしょう!?」

声の主はあたしとお母さん。

終業式で午前中だけだった学校から帰ってきたあたしは、制服も着替えずダラダラとしていた。
それにお母さんは注意をしたのだ。

そのやりとりを見ていた弟・真はため息を吐いた。
そう、この口喧嘩もいつもの事なのだ。


「夏休みの宿題でもやったらどうなの!?」

いつも口うるさいお母さんにはうんざりしていた。

「…もういいよ!こんな家出てってやるんだから!」
考えるよりも先に声が出た。

またそんな事言って…とかいう説教が始まるんだろうな…。
あたしは後悔した。
しかし、この後もっと後悔する事になる。



「…………」


数秒の沈黙の後、
お母さんの口から出たのは想像とは違っていた