ガタンゴトン、ガタンゴトン

電車独特の音と、不規則な揺れ

平日の昼間、あまり人は乗っていない。
数少ない乗客の中に、彼女はいた。

窓際に寄りかかって、額縁のような窓の中の真っ青な空と見慣れない風景を見つめる。


彼女の名前は町田真智。
高校二年生。
特に普通な体つきに、特に普通の顔立ちに、胸辺りまでのセミロング。ただ1つ自慢だったのが、白い綺麗な肌だった。
服装は今時の女子高生らしく、制服を着崩していて、まあ他の女子高生と何ら変わらない極ふつう、の女の子。

彼女の隣にはスポーツバック1つ。
「はあ…どうしよう」
自嘲気味に彼女は笑う。

なんと彼女は家出の最中だったのだ―…