「田辺って誰だよ!?」


「俺も名前だけしか知らないんだけどさぁ。でもひなのちゃんと二人で観覧車なんてずるすぎる」


智輝が肩を落とした。


俺はそれ以上にショックだった。


その後の智輝たちの会話も頭に入ってこないくらい混乱していた。


帰りのバスでもひなののことばかり気になって仕方なかった。


バスが学校に着いて生徒はそれぞれ帰ることになった。


「気になるなら本人に聞いてみれば?」


そんな俺の様子を察したのか亮平が言ってきた。


こうゆう鋭いところはさすが亮平だと思った。


「まぁがんばれよ」


亮平はそう言うと複雑な顔をした俺の肩を叩いて帰って行った。