窓からさしこむ強い光で目が覚める。 『‥‥‥ふぁ‥‥。』 自由な方向へはねた髪をいじりながら、汗ばんだシャツを脱ぎ捨てる。 (‥‥もう7月か。) 隣の棚の引き出しに目をやる。 開けると、小さな箱が現れる。 赤い指輪ケース。 目を閉じれば蘇る、 あの夏の記憶。