かすかに笑っているように見える彼の寝顔を眺めながら、再び考える。
この長いまつ毛が、骨っぽい手が、厚い胸が、消えてしまうことがあるのだろうか、と。
無いなんて 言い切れないのだ。未来は誰の手にもわからないのだから。
それでも私は生きる。
生き抜く。
何があっても、もうこの軸だけは揺るがない。
綺麗なものも汚いものも、この目で見据える。
この胸で受け止めて、この足で踏み出す。
美しくなくていい、私は強くなる。
いつかこの手で、大切なもの達を守るために。
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