『避けられたことが悲しいから意地張って独りになるんじゃない。
この中にはあたしが求めてる人はいないって思ったから。』


カナは微笑んだ。
しかし目は、私が知ってる誰のものより強かった。



あの日アドレスを男子にも配ったのは、彼女の中でわかりやすく女子をふりわける手段だったのだろうか。


自分の身を守るためだけによく知りもしない相手に“さわるな危険”“男好き”とレッテル貼った女子は、彼女の眼中にもうないのか。



正直、驚いた。

女の事情に鈍感で、いつもへらへら愛想を売ってるだけだと思ってたのに、
こんな事考えてたんだ。この子。


そしてこの行動力。
確実に、私にはできない事をこの子はやっている。