学校が始まり、10日が経った。

クラスの女子のグループは、
ほぼ固定したと思う。



『麗おはよー!!』


教室につくといつものように、アコ、ユリ、マキの三人に迎えられた。

『おはよー!』


『ねっレイ昨日の・・見た?!』

『見た見た!』


『もこみちカッコイイよねぇ!』

『ねーっ!』

『えーカメのがいーよー。』

『黙れ!今は小池徹平の時代です!』

『なんでよぉーカメのがいいってばあっ。』

『あははは!』


…ちなみに私は別に
もこみちもジャニーズも小池徹平も特に好きではない。



『あっそーだあ今プリ分けてたんだ!はい麗の分!』

『わーありがとー・・!』



(…うっわ軽く20枚はあるよコレ。

ユリのファンじゃあるまいし、
こんないらないっつの。)





その時、
教室のドアが勢いよく開いた。




『あ。西崎 華奈。』


皆の視線が一人の女子に集まる。



『おはよーっ華奈ちゃん!』

おっ、というように挨拶をする男子に対し、

女子の中には声をかける者は一人もいない。



『お姫様がきたよ。』




ところどころから女子の小声が聞こえる。