優季は玄関へ行くと、ドアを開けた。


『もう私の話はおしまいよ、遅くまで付き合わせちゃって悪かったわね。

明日も早いから追い出すみたいで申し訳ないけど、帰って…』


悲しげな笑みを浮かべる優季を見ていると、


このまま部屋を出て行ったら、もう二度と会うことも話すこともできなくなる。


そんな気がした。


『ねぇ、聞こえなかった?早く帰って!!!

もうこれ以上、話すこともないし、弱い自分をさらしたくないから…』


玄関から優季の苛立ちを隠せない声が聞こえてきた。


『ちょっと!日本語わからないの!!!?いい加減に…ッ!』


痺れを切らして玄関から戻ってきた優季をそっと抱きしめた。