『お腹の赤ちゃんを亡くしてから、さすがの私も精神的に参っちゃって、産婦人科で妊婦さんや赤ちゃんを見るのが辛くて仕方がなかったの。

病院辞めようかと思ったら、洋子主任から救命救急センターに誘われて…

というより無理やり拉致されたという方が合ってるのかもしれないけれど…

重症患者が当たり前のように運ばれて、患者が死亡することが珍しくない救命救急センターは、新しい命が生まれる産婦人科とは何もかも正反対で…

最初は人の死を目の当たりにするのが怖かった。

でも、私は看護師であり、助産師なんだという自覚が強くなった。

私にはこの仕事しかない、本当にそう思った。

で、今に至るというところかな…』



全てを話し終えて、優季は涙を拭った。